「じゅ・・・ん?」




「ぼくが ちっちゃい時に 天国に行ったんだ。」




純は涙ひとつ見せずに、自分のお母さんの事を話した。

けど、純の肩は震えてる。





「純ッー。」



あたしは、純の家族のことを知ったとき、

純を抱きしめたくなった。


ギュって、強く。



純を抱きしめた。





「純・・・・辛かったでしょ・・・。」




まだ体の小さい純は すっぽり
腕の中におさまった。



こんなに細いからだ。



まだ、幼稚園生なのに。



お母さんのぬくもりも
愛情も、全部 感じられないなんて。





「でもね、ぼく・・・・もう寂しくなんかないよ。」




純は笑顔でそう言った。




「どうして?」