愛しキは死とそノ唇ト




赤くはれ上がった頬に、涙が伝う

睨み付けるその眼でさえ、奴は興と取りやがる


「いい眼だ」


───吉良義郎


私をこの暁木屋に売りつけた

奴の行方はわからない


ただいえるのは

私はこの暁屋の女郎“翅”となったことだけだ