月光が、障子の隙間から差している 土方は乱した私から目を離し呟いた ───御前の口にあうは 紅く差した紅か それとも私の唇か──── 「今宵も意地の悪い冗談を」 「・・・悪かったな」 その言葉が冗談でないことを 私が、一番知っている