「──御前の翅への思い、尋常なきとみる」 「・・・馬鹿を云え ───入っていいぞ。山崎、島田」 「御話の所、申し訳御座いません」 襖がガラリ、と音を立てて開いた 「・・・どうだ、枡屋の方は」 「は。矢張り枡屋喜右衛門改め、古高俊太郎は長州藩との繋がりが見て取れます」 「・・・そうか」 “矢張り”、な 「むう・・・古高か。どうする、トシ?」