和哉 side



俺は下駄箱に急いだ。
何年ぶりだろうか。
こうやって結衣とデートするの。




やけに心臓がはやく動き出した。
手をつないだりは無理だけど
またあの頃の気持ちに・・。




やっと結衣を発見。
ん?
なんで、横に男?

まさか、この状況で彼氏?(汗


・・・違う。
無理矢理じゃねぇか?
そんなの許さねー...。






「おい・・・」
最近では出さない声がでた。



三年と思われる男子は
「なんだよ」



俺は相手をにらみ倒し
「そいつ、俺の女なんで
返してもらえませんか?」


自分で言ってて恥ずかしい。
こんなこと言える日が来るなんて。




「んだよ、彼氏持ちかよ」
三年の男子は去っていった。



今にも泣き出しそうな結衣。
安心させてやりたくて手を
差し伸べてやりたい。




でもそれができない現実に
この上ない嫌気がさした、、



それから
俺はほとんど話しかけれなかった。
話したい、でもできない。




ただ結衣を・・・
苦しめてるだけなんだ。




結衣の家の近くにさしかかると

「ここで・・、いい。」
小さく弱々しい声の結衣。



あぁ、結衣も
俺と同じ気持ちなんだ。


苦しんでるんだよな。

「・・・じゃ、さよなら」
この言葉の意味を俺は
理解しているつもりだった。



おそらく話すのも、会うのも
これが最後。






それから
なにも言わずに来た道を戻る。


こんなふうに
結衣と俺が同じ道を歩んでいく時なんか
こないんだろうなぁ。



結衣。
どこにいても
何年たっても
結衣に大切な人ができても


君は俺の“特別”だよ?