知らなかった僕の顔

僕らはレストランを出て、すぐ目の前にある浜辺を歩いている。



「海へ散歩しよう」

そう言い出したのは僕の方だ。


ロマンチックなことが苦手で、それを鼻で笑っていた前までの僕は、こんな風に女の子を誘ったことがあっただろうか。


それよりも、二人で夜の海を散歩したいと、素直に心から思えるような女の子が今までにいただろうか。