知らなかった僕の顔

何度目かの往復で、自分の体力不足を改めて痛感した。


僕は、上がった息を整えるために、ゴミ捨て場の前に立ち止まって額の汗を拭った。


腰に手を当て、空を見上げる。


実際僕は、将来何になるのだろう。


空の青さと広大さが、突然僕にそんなことを考えさせた。

僕のようにのん気な大学生にだって、将来への不安はある。

これといった夢がない者は特にそうだろう。

自分がどこへも向かえず、何も目指せない姿を想像するのは怖かった。

何も考えていないように見える長谷川にさえ不安はあるはずだ。


そういや、あいつ…。
さなえちゃんとは、どうなったんだろう。