知らなかった僕の顔

こういうことを言われて、すぐに反応できる男を僕は尊敬する。
そして少し軽蔑もする。


返事をするタイミングを失い、僕はそのまま黙っていた。


「何か言えよ」

「ん?ああ、ごめん。寝てた」
最悪だ。面白くないし。

「ガリガリくんさー、彼女いる?」

「ガリガリくん言うな」

「いるんだ?彼女」

森若ちゃんの顔が頭をよぎった。