知らなかった僕の顔

「これからもよろしく。私の刺激くん」
阿部ちゃんは、怖いほどの爽やかな笑顔を見せた。


「いやホント、それは荷が重いから。そもそも意味がわからないから」


阿部ちゃんは、あたふたする僕の肩をポンポンと叩き、自分の仕事に移った。


なんだよ、今のポンポンて…。
激励?



この日から阿部ちゃんは僕を「宮田くん」、もしくは「刺激くん」と二通りの呼び名で呼ぶことになる。


僕をほっといてはくれないだろうか…。

僕は誰かに刺激を与えられるようなタイプの人間ではない。

加えて、そのような期待に対するプレッシャーに、めっぽう弱いのだ。