知らなかった僕の顔

二時間を過ぎた時、言いようのない不安で、真っ暗になった窓の外を覗いては部屋の中をうろうろとした。


頭の中に、森若ちゃんを『香織』と下の名前で呼ぶ、あの留守電で聞いた男の声も一瞬よぎった。



僕は何度も大きく息をつき、ただひたすら彼女の帰りを待った。