知らなかった僕の顔

「ま…でも、三十だって若いし、プロになろうと思えばきっとなれますよ!」


自分には夢がないくせに、なぜか僕は矢島さんの過去の夢を応援したくなった。

「宮田くん、いくつだっけ?」

「僕、十九です」


矢島さんは、フッと笑い「まだまだだな」と言って、さっさと一人でサウナから出ていった。


僕は、フラフラになりながら矢島さんの後を追った。