「別れ…」
たくない
そう言おうとしたら
「んっ!」
唇を塞がれた
「ん、ん…あ…き」
「喋んな」
そう言って開いた隙間から
冷たい舌が入ってきた
舌はうまく絡みとられ
息が続かない
「んっん…」
今私は軽く倒されて
背中が壁についている状態
秋は片手で
私の腰を支えながら
もう片方の手は
私の頬をさすっている
甘い感覚に
酔いしれる
これが初めてのキスなんて
嫌なはずなのに…
秋が好きだから
喜んでしまう自分がいる
やっと唇が離れて
私は肩で息をしている
「あ、き…なんで…」
途切れ途切れに
言いながら涙目で
秋を見上げた
「本当お前
勝手すぎ…」
「ぇ?」
「今日ずっと
待ってたのに」
そう言った秋は
困ったような表情で
そして何より
真っ赤だった
.
