君の隣の特権






「、ちがっ…」

「じゃあなんで

避けんの?」



秋は声を被せてきた


冷たい声を。





「まじ意味が

わかんないんだけど」



秋は苛々した口調で

言葉を続けた




「秋…聞いて?」



そう言って

秋の腕を掴んだ




「わかったから

離して」



そう言われて

急いで手を離した




私が聞いて?って

言ったくせに

言いたい事整理できなくて

一人パニック状態


なんて言ったら伝わる?

なんて言ったら

…傍にいてくれる?






私が何も言えず黙って

俯いていると…


はぁ…と、

秋のため息が聞こえた




「なんで…

そうなの」





秋はそう言いながら

自分の頭をくしゃっとした



…秋の癖


私の頭か自分の頭を

くしゃってする。





「…何

考えてんの?」





秋の声が少しだけ

問いかけるように

優しくなった





「秋、私勝手で

ごめんなさい…」





秋は

少し寂しそうな

顔をした





「私ね、

不安で…だから…」




やばい、

泣きそう…





秋のカーディガンを

ぎゅっと握った










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