・・・・・。



みんな、
わたしのほうを一斉に見る。



いじめグループたちは睨んでくる。




でも、気にならない。



わたしは冨永さんのところへ行った。


「冨永さんっ!!……ごめん!!…じゃ許してもらえないと思うけど……」




「希咲…ちゃん?どうして……?いじめられちゃうよ…?」



そんなの、いいんだ。



わたしは首を横に振った。


「わたしは……冨永さんに大切なこと、たくさん教えてもらった」



それで気づいたんだ。


「わたしは今まで自分のことしか考えてなかった……。だから現実から目を背けてきた。…でもそれじゃあダメだって気づいたから……」




わたしは君を助けたい。

そう思ったから……。


この言葉は言わなくても伝わったようだ。



「希…咲ちゃん……っ!!ありがとう…っ」
冨永さんは涙をボロボロこぼしながら言った。

“ありがとう”


それはわたしから冨永さんに言うことばだよ……。