「な、泣いてないよ!」
慌てて涙を拭き、無理に作った笑顔を見せる
「・・・座れ」
勧められるままソファに座る
「西村、何があった?」
優しい、低い声で聞くのは反則だよ
「・・・分かんない。分かんないの」
「何か飲むか?」
「・・・うん。ただね、胸が苦しいの。何でだろう」
愛里から畑ちゃんが好きって聞いた時、胸が締め付けられた
「・・・好きな人、なのか?」
「・・・好きな人?」
「西村の好きな人。」
・・・・・・・・・好きな人
「好き・・・って、どんな?」
「うーん。胸が痛くなったり、ふとした瞬間に、その人の事を思い出したり」
「・・・ドキドキもする?」
「好きなんだから当たり前だろ」
「そっか・・・」

