「お前が俺に惚れたら・・・」


惚れたら・・・何よ?


「まあ、いいや。その時にでも教えてやる」


「あ、そ。じゃあ、一生教えてもらえないね」


ばーか!そんな簡単に惚れる訳ないでしょ!


「はいはい。ほら早く帰れ~。」


「・・・ねぇ、畑ちゃん。あたしも決めたよ」


あたしも決めた!


「畑ちゃんを惚れさせてみせる」


訳わかんないって顔してる。


そりゃ、そうなっちゃうよね・・・。


「畑ちゃんだけゲームなんでズルいでしょ?だから、あたしも。」


もし、あたしが惚れたら悔しいじゃん?


「なるほど。じゃあ、今からゲーム開始」


そう言って、あたしの顎を掴み顔を近付ける。


「このくらいで赤くなんなよ。」


やられっぱなしは嫌だ。


「なってないよ。・・・祐樹」


―・・・ちゅ


「このくらいで照れてんなよ!先生」


まずは先手打っとかないとね。


「じゃあね。畑ちゃん!また明日、部活で」


そう言って、あたしは指導室を飛び出した