『しかし、なぜいじめられた由美が転校などしなければならんのだ…』


パパは、不服そうな顔をして私の頭を撫でた。

私は、弱々しく笑って首を横に振った。


『ううん。私にも悪い所があったのよ、きっと』


『かーっ!由美はなんて優しい子なんだ!!』


パパは、大袈裟に泣くフリをした。

そして、横を歩いている黒いスーツを着た男に話し掛ける。



『なぁ、そう思わんか?平山!!』


『は、はい』


男は、突然のことに驚きながらも頷いた。


_