「…あれ?」

いつもなら
鐘と同時にドアが開くのに。


「来ないね?」
「うん…あっ!」

ドアの向こうに
串田と千守先生がいた。

「来たよ!」
「えっ?どこ?」
「あそ…」

言いかけた時
ドアが勢いよく開く。


「遅れてごめんな~」
串田は言う。


千守先生は頭を下げて
教室に入ってきた。


なんか顔が緊張しているみたい。

…先生。


「え~。前も言ったが、今日から千守先生に
 フランスの授業をやってもらう」

待ってましたぁ。

「千守先生は教育実習生だから
 少し未熟かも知れんが
 ちゃんと授業を聞くように!」

串田は言う。