「やだ.隆」 手を振り払おうとするけど.自分が思ったより力が入らなくて.無抵抗に近かったと思う 「離せよ。桃.嫌がってんだろ」 「この後の時間だけは俺にちょうだい。話すだけ..傷つけたりしないから」 隆の顔は真っ直ぐ優哉を見ていて真剣に見えた 優哉は何も言わず.私を見下ろした 「桃.今日帰るけど.用事終わったら連絡ちょうだい」 予想外の言葉に呆気に取られながらも頷いた 優哉は隆を睨むようにちらっと見て.振り返り歩いて行った 私達は黙ったまましばらく建っていた 口を開いたのは私だった