走りだした拍子に涙が流れだす
家につくまで我慢したかったのに.私の体は…心は思ったより正直でもろくて.今にも崩れそうだった
「桃!」
隆の声が後ろからした
でも今こんな顔見せるわけない
疲れるなら.
私に関わるのが疲れるなら追い掛けてこないで
でも案の定すぐ追い付かれてしまうんだ
体がグッと後ろに引かれて止まる
「やだ」
お腹に回った腕を必死で解こうと力を入れて握る
私の力が隆に勝てるはずなく.一向に外れなかった
「疲れるなら.もうかまわなくていいから」
涙が止まらない
でも今は必死で気持ちぶつけるしかなくて
きっと素直に「疲れるなんて言わないで」って言えたら楽なんだろうけど
今は隆に嫌われるような言葉しか出てこないよ

