一言が。

「あぁ。国語は得意だからね。ところで…ってあれ?君の名前聞いてなかったよね。」



出席確認のとき呼んでいたのだろうけど、覚えていない。


「俺は、折原翔太(おりはらしょうた)。凉野は?」



「凉野…あ、下の名前?あぁ、里麻。」


「ふぅん…あ、終わりだ。」


「あ、ありがとね。折原君。」


とりあえず礼を言ってから席を離れた。

と、その時またアイツがきた。

「ずいぶんと楽しそうに話してたな。」



いやいや、見てたんですかっ。



「洸。教科書見せてあげてただけだよ。別に手は出してない。」


折原君が詰め寄る自己中男に話しかけていた。

…助かった。

…ていうか手は出してないって…


「そうか。ならいい。」


…何様だよ。

そして何の用だよ。


「…とりあえず、そろそろ始業式が始まるんじゃない?行かないと。」


「ん、そうだな。」



そう言って体育館に(やっと)行ってくれた。



私も行こうとして教室から出たとき、折原君が耳元で小さく囁いた。

「今日コンビニよろうか。一緒に。あ、洸には内緒だよ?」


すごくうれしい。
今日は特別予定もないし、暇だった。

「…ありがとう!」

嬉しくなって陽菜に抱きつきながら体育館に向かった。