Sugar doll

「なななに??!!」

驚いて真琴を見上げる

まだ
付けまつげは
片方の瞳にしか付いていない


「今度の文化祭に
松田さんを呼ぼう!!」


「ええええええええ!!??」

誰もいない屋上
高い秋の空に私の絶叫がこだました


「シナリオはもうできてるの!
全部私に任せて!!

杏の初恋は
必ず私が成就させて見せるから。」


ものすごい勢いで
ガッツポーズのこぶしを
目の前で振り回され

何度も身構えた



「シナリオって…?」

尋ねる私に
「後でね!」
と意味深の笑みを浮かべる親友は

いそいそと
もう片方の瞳につけまづ毛を
つける作業を再開した