その日から
一睡もできなくなった


目を閉じれば
決まって
同じ光景が浮かんで


私を苦しめる


《夕!》

高い声
私が読んだことの無い
竹内さんの下の名前を

当たり前の様に呼んで

当然の様に
彼の腕にしがみつく
女の人


私とは違う
サラサラストレートヘアの
大人の人


《おせーよ。》

私はまだ
数えるくらいしか見ていない
竹内さんの笑顔


あの女の人は
いつも見てるのかな…?





……

………


心が

空っぽだ…