鋭く、強い光を湛えた…しかし一点の曇りもない眼で、ルドルフが私を睨む。

その視線にも動じる事なく、私は言った。

「私にとどめを刺さなかったのも、一般市民には手を上げずに軍にだけ戦いを挑んだのも…自分を殺してくれる相手を探しているからじゃないの?」

「……」

ルドルフは黙っている。

だから私は続ける。

「ここからは仮定だけど…あんた…もう妹さんを探す事に疲れたんじゃないの?もしかしたら死んでいるかもしれない、探した所で見つかるのは妹さんの亡骸かもしれない…そんな報われない日々に嫌気が差して、自分の生に意味を見出せなくなったんじゃないの?勝手に妹さんは死んだと決め付けて、生きる事を放棄したんじゃないの?」

「……っているさ…」

私の追及に、ルドルフが小さく呟く。

その呟きは。

「わかっているさ!」

怒号となって、堰を切ったように流れ出した。

「旧世界人に怒りの矛先を向けて、己の苛立ちを晴らそうなどと、愚劣極まりない行いなのはわかっている!だがどうする?長い年月をかけて探し続け、それでも尚、妹は見つからぬのだぞ?その虚しき旅路の果てに…」

ルドルフは今にも泣き出しそうだった。

「唯一の取り柄である魔法を駆使して己の全力を以って戦い、その果てに命を落としてしまえればいいなどと弱気になって、何が悪い…?」