Wissenschaft vs. die Magie

戦闘機をたやすく墜とした『何か』は、背の高いビルの尖端…避雷針の上に着地して、携えた処刑鎌を肩に担ぐ。

黒い翼、大鎌、凍りついたような冷徹な表情。

誰が見ても悪魔か死神。

そんな印象を周囲に与えながら、ルドルフ・クラインリーゼ・リリアという男は、火の海と化した街の光景を眺めていた。

「……」

私の絶句はいまだ続いている。

私が気を失っている間に、ルドルフがこの惨状を作り上げたの?

見た所、軍隊が部隊単位で出撃しているようだ。

それをたった一人で相手して尚、彼は傷一つ受けずにここまでの破壊を繰り広げたというの?

今更ながらに、あの異邦人の想像を絶する戦闘能力に驚愕する。

同時にそれだけの戦闘能力を発揮しながら、彼の表情から『迷い』のようなものが晴れていない事に、私は違和感を覚えていた。