おぼろげな意識が、徐々に覚醒し始める。

最初に視界に飛び込んできたのは、横向きになった世界。

ボンヤリした脳が少しずつ働き始めるにつれて、私が地面にうつ伏せに倒れている事に気づく。

空中から落下したものの、落ちた場所が雑木林で助かった。

木々がクッションになり、地面への激突死は免れたらしい。

無論、強かに体を打ち付けた事によるダメージは少なからずあるのだけれど。

…軽く頭を振りながら、私はゆっくりと体を起こす。

所々痛む関節。

でも幸いに骨折などはないようだ。

ルドルフの斬撃によって受けた傷からの出血も、どうやらおさまったらしい。

身体強化服と、傷口を重力で圧迫して止血していたお陰だろう。