Wissenschaft vs. die Magie

口を塞いだまま、もう片方の手を大きく振りかぶって。

「飛んでっちゃえ♪」

私は渾身の力を込めた拳を繰り出す。

…込めたのは力だけじゃない。

拳に重力を付加させた、文字通り『重い拳』!

「がっ!」

直撃の瞬間、ルドルフが呻いた。

殴られただけとはとても思えない吹き飛び方で、彼の体は高速で地面に叩きつけられる!

「あはははははっ!すごいすごい!」

まるでスーパーマンにでもなったみたいだ。

自分の超人的な強さに陶酔する。

非力で運動音痴の私が、ここまでの強さを発揮できるなんて。

やっぱり科学は素晴らしい。

インチキ臭くて理論もハッキリしない魔法なんかより、ずっと優れた技術だ。

私は手放しで科学のもたらした自分の強さに酔いしれていた。

そこに、ルドルフという犠牲者がいる事など微塵も省みず。