その光景を見ながら、私はペロリと舌なめずりする。

「まだよ」

グラヴィティコントローラーの数値を更に上昇。

その重力負荷によって、ルドルフどころか国際科学研究所の施設そのものが圧壊し始める!

堅牢な特殊隔壁で作られた建物が、まるで砂の城のように崩壊を始めた。

「いいわ…ゾクゾクしちゃう…♪」

身震いしながらその崩壊をウットリと見つめる私。

「倫理とか、モラルとか、そういうのを考えずに…」

上気した頬がほんのりと赤く染まる。

「思う存分自分の開発したものの威力を試してみたかったの…あは…快感…♪」

そう、これが私の潜在意識の中にあった本性。

理性で抑え込まれていた衝動。

この身体強化服も、グラヴィティコントローラーも、世界各国の救助隊に配備する為に開発したなどと口では言っていても…。

『もし戦闘に投入したらどれほどの戦果を挙げられるのだろう』

そういう考えが、私の中になかった訳ではない。