Wissenschaft vs. die Magie

だけど、私が重力によって操るコンクリート片は一つではなかった。

無重力状態にして、床に落ちた幾つもの破片を浮遊させる。

それを重力コントロールで縦横無尽に操り、ルドルフを攻撃!

「ちぃっ!」

太刀捌きを駆使し、ルドルフがコンクリート片を切り刻んでいく。

剣術素人の私が見てもわかるくらい、ルドルフの太刀捌きは鮮やかだった。

あれだけの数のコンクリート片を、身にかすめさせもせずに打ち落とすのは相当な技量が必要だろう。

しかし、重力によって操られるコンクリート片の動きは変則的だ。

流石に苦戦は免れない。

ついでに言えば、このコンクリート片での本当の目的はルドルフを倒す事ではなく、所長達を避難させる為の時間稼ぎ。

それには彼も気づいているらしく。

「1,000Pfeile, Rührmichnichtan(千の矢、鳳仙花)」

詠唱によって彼の左手に光の玉が発生する。

その玉は、ルドルフの手の中で炸裂して光の矢となり、襲い来るコンクリート片を次々と破砕していった。

さながら、熟した実を弾けさせて種子を飛散させるという鳳仙花のように。