呼吸を荒くしながら、ルドルフはユラリと立ち上がった。

額には大粒の汗。

「少々侮っていたとはいえ…虎の子の事象無効化魔法を、こんな早々に行使させられる羽目になるとは…一術者としてこんな屈辱はない…」

切れ長の鋭い眼が、更に鋭利な光を帯びて私を睨めつけた。

「よかろう、戦争だ…!」