Wissenschaft vs. die Magie

「くぅっ…!」

噛み締めた歯の隙間から苦しげな息を吐くルドルフ。

それでも、動きを止める様子はない。

普通、人体は高G環境で長時間の活動をするようには出来ていない。

プラス方向(体に対し下向き)の大きなGが体にかかった際、心臓より上にある脳に血液が供給できなくなり、完全に視野を失う。

俗に言う『ブラックアウト』という症状である。

その為に私の身につけている身体強化服は、耐Gスーツの機能も備えているのだ。

なのにルドルフは、耐Gスーツも身につけていないというのに高G環境に晒されたまま、尚も動こうとしている。

無理をすれば脳虚血による失神(G-LOC)に繋がり、とても危険なのだ。

私はルドルフを殺す為に、この身体強化服を装着してきた訳じゃない。

私の目的は彼を制止するだけだ。

「おのれ…魔法発展途上の旧世界人に、このような屈辱的な扱いを…!」

再び呪文詠唱をしようとするルドルフ。

ならば。

「Word input method is changed from the voice input to the idea reading. (入力方式を音声入力から思考読み取りに変更)」

私はグラヴィティコントローラーの入力方式を切り替えた。