Wissenschaft vs. die Magie

然程ラボから離れていないその部屋に到着し、私は扉に備え付けられているテンキーに7桁の暗証番号を手早く入力。

更にカードキーをスリットに差し込む。

電子音が鳴り、扉は自動的に開いた。

部屋に駆け込む間も、所長とルドルフのやり取りする声がここまで聞こえる。

「待て!君は本気で私達を殺すつもりなのか!」

「そうだな…」

少し思案するようなルドルフの声。

「俺の望みを叶えてくれるならば、考えてやってもいい」

「望み…?」

「そうとも」

声を潜める所長に対し、ルドルフは言った。

「数百年前に旧世界に召喚されたのは俺だけじゃない。妹がいたのだ…俺と同様に無理矢理にこの世界に召喚され、用済みとなるや強制送還された妹…その強制送還の最中に、彼女とははぐれてしまったのだが…」

無茶苦茶な!

数百年前にはぐれた彼の妹の行方を、私達が知っている訳ないじゃない!

きっと所長も、私と同じ考えを顔に出してしまったに違いない。

「そうだろうな!そうだろうよ!」

狂気すら感じさせる、ルドルフの声が響いた。

「数百年前の事など、貴様らには関係のない事だろう!しかし俺にとっては肉親なのだよ!たった一人のかけがえのない妹なのだ!」