Wissenschaft vs. die Magie

そんな私の気持ちなど知る由もなく、彼はゲートポート内に入っていく。

そこは床に魔方陣の描かれた、さながらストーンヘンジのような場所。

常時待機しているローブ姿の如何にも魔法使いといった男性に行き先を告げれば、送還してくれるのだという。

「新世界まで」

淡々とした口調で行き先を告げるルドルフ。

その姿が、魔方陣から立ち昇る光の粒子に包まれていく。

あぁ…これでお別れなのね…。

漠然とそんな事を思い、何故か涙が浮かんできた。

どこまでも孤高なのね、あんたって人は。

妹にも、私にも、少しの弱味も見せずに一人で去っていく。

辛くなったりはしないの?

一人で立っていられなくて、誰かに寄り添いたいと思う事はないの?

見つめる背中が、光に染め上げられ、透過していく。

その背中に向かって。