Wissenschaft vs. die Magie

まさに突然の申し出。

何でこんな時に歌なんて…。

そう思って、私はルドルフが言っていた事をふと思い出す。

『歌が好きだった妹』

彼はそんな事を言っていた。

そうか…このリリムって子が妹なら、もしかしたら…。

確信にもならないような手掛かりだけど、それはルドルフがリリムとの繋がりを見い出す為の方法の一つ。

「歌…ですか?」

リリムは少し迷ったように、背後の男性…下平さんの方を見た。

「…本来ファン向けにこういうサービスはしていないんだけどね」

下平さんは苦笑いしながらも、ルドルフの申し出を承諾する。

…彼はどこか切れ者の匂いがした。

もしかしたら、ルドルフのリリムとの間に、何らかの繋がりを感じ取ったのかもしれない。

「それなら…」

胸の前で手を合わせて、祈るように。

リリムはその透明感溢れる美しい声で、悪魔のような黒い翼を持ちながら、天使の如く優しい歌声を奏でた。