Wissenschaft vs. die Magie

そうこう言っているうちに、草原の向こうに街が見えてきた。

きっと見えてくる街も、のどかな煉瓦造りや茅葺き屋根の素朴な建物が立ち並ぶ田舎町。

そう予想を立てていた私は。

「これは驚いたな」

淡々と語るルドルフの隣で、絶句するしかなかった。

…近代的な高層ビル群の中で一際抜きん出て背の高い、成層圏にまで到達する軌道エレベーター。

風光明媚な港。

山沿いには王宮のような佇まいの荘厳な建物、それを取り巻くように隣接する建築群。

街中を路面電車が走っているかと思えば、小型の二足歩行竜が引く馬車風の乗り物も往来を行き交う。

雑踏を歩くのは、鋼の甲冑を纏った青年。

かと思えばカッチリとしたスーツを着こなしたブロンドの美女。

尖った耳の美少女が噴水広場で待ち合わせをしている傍らでは、体の関節部に継ぎ目のある、明らかに人工物的な姿の少年が、さも人間のように振る舞っている。

驚いた事に、これだけ仮装行列のような光景が広がっているのに、誰一人としてそれらを奇異の目で見る者はいない。

つまりこの世界では、この光景が当然の日常という事なのだ。