ぶつかり合う重力と重力。

本来この星には存在しないほどの過重力に、大地が陥没し、亀裂が縦横無尽に走る!

地盤沈下や液状化が発生し、まるで大震災でも発生したかのような様相。

それでも私とルドルフの鬩ぎ合いは続く。

その結果。

「………!」

過度の重力のぶつかり合いは、空間にまで影響を及ぼし始めていた。

時空の歪み、空間の捻れ。

本来あってはならない、存在しない筈の時空の穴が、ポッカリと口を開ける。

「!まずい、八王子棗、重力を…!」

ルドルフが口走るがもう遅い。

私達二人の体は、その時空の歪みへと吸い込まれた。

さながら宇宙空間に発生した、ブラックホールのように…。