同時に私の身にかかってくる、凄まじい圧力!

「ちょっ…まだやるのっ?それにこれ…重力っ?」

私に対して重力の魔法なんて、何の嫌味よ!

「言ったろう…全力を出して尚勝てぬ相手に、俺は殺して欲しいのだ」

呼吸を荒げながらルドルフが言う。

嘘だ。

もう彼の顔から憑き物は落ちてしまっている。

もう死ぬ事なんて考えていない。

さっきのやり取りで、彼は胸の内に秘めていた黒い感情を全て吐き出してしまっている筈だ。

ならばこれは…ただの決着。

純粋に『科学と魔法、どちらが強いのか』。

その決着に過ぎない。

「……わかったわよ、もう!」

私はグラヴィティコントローラーの出力を最大限にまで上げる!

「気が済むようにコテンパンにのしてあげるわよ!」