「でもさぁ、モデルだって誘われたことあるじゃんっ」


「琴子あんなの信じてんのっ!?」


知らないオジサンについてっちゃダメだって小さい頃に何回も言っただろう!

ああもうちゃんと教育してきたつもりなのに。


「あーゆーのが詐欺の典型だぞ」


契約金とか散々払わされて、
後日事務所はもぬけの殻とか。


「けどあたし、その人の雑誌知ってたよ」


「それでもダメだッ!
そもそもおれはモデルとか興味ないからいーの!
ほら、琴子はもう寝とけっ」


「まだ17時だよぉーだ」



琴子はあっかんべーと舌を出し、
立ち上がってお茶を汲みにいく。