◆ 少年よ、大志を抱け!




メガネっ!?


ようやく視界がクリアなことに気付いたおれは、急いでメガネを直す。

……直したら何も見えないけど。


“特別研究生”のイメージは
さすがに保っておきたい。



「伊達なんだぁ」



!?
という反応は顔に出さないで、
至って冷静におれは言った。…つもり。



「これはその…、度があってないだけで…」


「この際コンタクトにすれば?」


「あ、いや、遠慮しときます。経済的に厳しいんで」



…経済面で困っていることは
ひとつもないが。


そもそも視力は悪くないし、
コンタクトになんかしたら
“特別研究生”のイメージから
一気に外れる。


何一ついいことなんてない。