◆ 少年よ、大志を抱け!




「いって…」



…これは何かのご挨拶か?そうなのか?
それとも単純に
この一瞬で嫌われたのか。


小林は腰を押さえるおれを
目をパチクリさせて見る。

…というか、眉をひそめ、目を凝らしておれを見ている。



「へぇ…」



…“へぇ”ってなによ!?


なんか他に言って下さーい、小林さん。



……



もういい。小林はもういい。
エアーとして扱おう。



決心したおれは、
制服(ちなみにブレザー)についた埃を払い、席についた。



……しかし視線を感じる。横から。
ジリジリと。



「……何、ですか」



耐えかねて小林を横目で一瞥した。
小林はおれの目のあたりを指さす。



「メガネ、ズレてるよ」