「いって…」
…これは何かのご挨拶か?そうなのか?
それとも単純に
この一瞬で嫌われたのか。
小林は腰を押さえるおれを
目をパチクリさせて見る。
…というか、眉をひそめ、目を凝らしておれを見ている。
「へぇ…」
…“へぇ”ってなによ!?
なんか他に言って下さーい、小林さん。
……
もういい。小林はもういい。
エアーとして扱おう。
決心したおれは、
制服(ちなみにブレザー)についた埃を払い、席についた。
……しかし視線を感じる。横から。
ジリジリと。
「……何、ですか」
耐えかねて小林を横目で一瞥した。
小林はおれの目のあたりを指さす。
「メガネ、ズレてるよ」


