「……舞瀬…」

俺に気が付いた舞瀬は、優しく微笑んで、席から立った。

「どうした?」

「…ノート……」

「ああ、そうだった。
はい、これな。」

バッグから取り出されたたくさんのルーズリーフの束を受け取る。

「ありがとう…」

お礼を言って、軽く微笑みながら舞瀬を見上げた。
すると周りがざわっとどよめいた。

「はぁ…またやったね、凪。」

舞瀬が少し困ったような顔で俺を見る。
俺は原因が把握出来ず、痛い程のたくさんの視線にうろたえた。逃
げたいけど、さっき出来ていた道は、完全に塞がれていて、通れない。
俺は舞瀬の後ろに回り、舞瀬の制服を少しだけ掴んで、視線からの盾を作った。