「女子からは
『あの陰のある感じが素敵!
遠くを見て、たそがれてるのも最高!』
とか男子からは
『あの色っぽい髪の流れは、女より萌える!
窓に寄り掛かって寝ている無防備な姿はヤバい!』
とか言われてるんだよ?
男女、学年問わず結構人気あるんだよね。」

たそがれってよりは、ただ外を眺めてるだけだし、窓に寄り掛かるのは楽なだけ。
髪は面倒臭いから切っていないだけで。
色気なんて少しも出そうと思ってないのに。

「正直、春高は何考えとんのか分からん。
そのせいもあって、なかなか話し掛けづらいんよ。」

「俺って目立つのか…?」

「ああ、多分、自分が思ってるより存在感ある。」

舞瀬にはっきりと言われる。
今まで、人との係わりがなく、周りを見ることが無かったから、全く気が付かなかった。

「まあ、知っても知らなくても春高君は大丈夫。
あっ!
チャイムが鳴るから、席に着こっか。」

坂野が言ったと同時にチャイムが鳴り、俺達はそれぞれの席に着いた。