向こう。

漆黒の闇に包まれた部屋で、俺はゆっくりと目を開いた。

舞瀬の話を聞いた後のことはよく覚えていない。
確か…一回、目を覚ました時は、もう夜だった。
それなのに帰ろうとしない舞瀬を説得した。
細かい会話は覚えていないが、この部屋が真っ暗なことが、俺だけしかいないことを暗示させているようだった。

「ふぅ……甘えてしまったな…」

明日も舞瀬は来るのだろうか。
そんなことを考えながら、俺は再び眠りに付いた。