向こう。

「まだ、いけんだろ？
立てよ！」

副部長の声に、よろよろと立ち上がる。
どうやら、さっきの衝撃で、意識が朦朧としているようだ。
そして三人が同時にボールを放つ。
それは部員の腹や頬に当たった。
部員は床に倒れて、動かない。

「あーあ。
もう終わりかぁ。
まだまだ練習が足りないねぇ…」

部長は終始楽しそうに笑っていた。

他の部員達は、黙々と練習を続けている。
しかしその表情は辛く、苦しそうだ。

俺も拳をぐっと握って、怒りを堪える。

「…絶対、許さねぇ……」

俺はこんなバスケ部を必ず変えてやる、と強く誓った。