向こう。

「テメェ練習だからって気ぃ抜いてんじゃねぇよ!
…部長〜、コイツどうします〜?」

この様子から見て、大声を出しているのは、どうやら副部長のようだ。
すると部長と思われる男が腕を組み、怪しい笑みを浮かべながら言った。

「う〜ん、まだボールに慣れてないのかな?
じゃあボールと仲良しになれるように、僕達が一緒に練習してあげる〜。」

そう言うと、すかさず副部長がボールが沢山入ったカゴを持って来た。

「あ…あの……俺…っ……」

あまりの恐怖にろくに声も出せない部員に、部長が思い切りボールを投げた。

「うわ…っ」

部員は反射的に、それを受け止める。