向こう。

「凪は、俺を試そうとしてんの?
それともからかってんの?」

「良く意味が…わっ!」

言葉を言い終える前に、押し倒されてしまう。
冷たくなったフローリングに手首を押し付けられ、組み敷かれる。

「今日は送るだけのつもりだったのに…
つーか、告白した奴を家に入れるか?
普通。」

「そ、それはっ…」

見上げると至近距離に舞瀬の顔がある。
さっきの舞瀬と違う。
まるで獣のようで、何だか怖い。

「それにこんな無防備な格好で、あんなこと言われたら、誘ってるとしか思わねーだろ。」

「ち、違、そんなつもりじゃ…」

「凪がそのつもりじゃなくても、俺はもう無理。」