向こう。

俺の今の格好は、舞瀬に借りたTシャツとハーフパンツだ。
舞瀬の服が俺に合うはずがなく、Tシャツの襟からは鎖骨が覗き、半袖は五分袖になり、ハーフパンツは膝が完全に隠れている。

「色気ありすぎ。
…襲いたくなる。」

「なっ…うわ…っ」

舞瀬は俺をベッドに引き込み、抱き寄せた。
その後に何が起こるのかと身を構えてたが、何も無い。

「…幸せだな……」

柔らかく低い声に、ほっとする。

「うん、俺も幸せだよ。」

俺達はそれだけで互いを理解した。
そして吸い込まれるように唇を重ねる。
相手への想いも、これからの未来への希望も。