向こう。

「あ、ごめん。
だってついー。」

「ごめんな、驚かせて。」

「え、いや…大丈夫だけど……」

そんなことよりも気になる所がある。
俺は舞瀬の服の袖を軽く引っ張りながら、舞瀬を見上げた。
舞瀬はそれだけで質問を理解した。

「…藍姫は、いわゆる腐女子、なんだよ。」

腐、女子…?
近頃よく聞くようになった単語。
意味は確か…

「BL、つまり同性愛が好きな女子のことよ!」

堂々と言う藍姫は、凄く輝いていた。

「な、なるほど…」