もちろん俺も、男の恋人は考えられなかった。
今だって信じられないくらいだ。
でもそんな不安をも越える程、俺は舞瀬を好きになってしまった。…
舞瀬はそうではないのか。

「…やっぱり、男は嫌、か…?」

「ん?
あっ!
さっきのはそう言う意味じゃないからっ!
問題は凪じゃなくて藍姫の方で…」

「そう、なのか…?
でも何で。」

舞瀬の意図が分からない。

「行けば分かるさ。
あ、着いた。
ここだよ。」

舞瀬が立ち止まった所は、お洒落なファミリーマンションだった。
二人でエレベーターを上がり、一つのドアの前まで辿り着く。