向こう。

「いや…いやだぁ!
やめて、助けて…!」

恐怖で涙が零れ落ち、助けを求めてがむしゃらに叫ぶ。

「もう抵抗したって遅いよ。」

掴まれた腰を持ち上げて、自身の切っ先を蕾に当てられる。
声を出す間もなく、俺はぎゅっと目をつぶった。

嫌だ。
誰か助けて。

お願いだから、助けてよ…………舞瀬…!

ガアアァァァン!

一際大きな音と共に、施錠されていた扉が倒れた。

「なんだ…?」

扉に背を向けていた部長が振り返る。
すると部長は目を見開いて、固まった。
俺も力なく顔をそこへ向け、涙でよく見えない目で見た。